ジオテキスタイルの選定にあたって角材料の長所・短所および使用上の留意点は?
また「ジオテキスタイルを用いた補強土の設計・施工マニュアル」を適用するジオテキスタイルは土木研究センターの審査証明が必須条件ですか?
ジオテキスタイルの特性と現場の状況に合わせた設計および施工上の留意点とともに設計者や技術者が判断して選定する必要があります。特性に関して参考となる資料のひとつとして土木研究センターの審査証明の報告書に詳しい特性・データが記載されています。
また審査証明は適用にあたって必須条件ではありませんが品質や使用上の留意点が中立的期間で審査されている点で公平性・信頼性の高いものと言えます。
ジオテキスタイルの耐久性は何年程度と見るべきでしょうか?
ジオテキスタイルの強度・変形特性ではジオテキスタイルの耐用年数にあわせてクリープを考慮した限界の引張り強さを提案しております。通常、50〜100年程度を目安としています。
また高温下や高アルカリ・耐酸性の環境下に於いては材料の特性を別途確認する必要があります。
盛土の締固めについて路体盛土と路床盛土などでは乾燥密度により規定する締固めの数値が異なりますが、そのような場合でも締固め度は90%以上を確保する必要がありますか?
各々のケース於いて上位の設計指針などに準拠してください。努めて盛土材(土)とジオテキスタイルの耐摩耗抵抗を発揮させること、補強領域の安定性を確保させることが目的としましょう。
盛土補強の設計において設計定数に土の粘着力を導入する意義は?
粘着力は設計時にステイする盛土材料と実際の施工時とでは差異がありますが、一般的な砂質土では粘着力尾有するものが多いことが知られています。特に円弧滑り法を用いる本設計法では粘着力の影響は大きく、合理的設計であるため補強盛土や補強壁の全体安定の検討では土質試験を行えば粘着力を設定しても良いとしています。
マニュアルによれば補強土壁の内的安定の設計では盛土材料の設計定数について,粘着力≦10kN/m2としていますが,その理由を教えてください.また,改良土を盛土材に使用するときで,粘着力が配合試験などで確実に10kN/m2以上確保できるときでも内的安定検討についての粘着力の上限値は10kN/m2までなのでしょうか?
補強土壁(1:0.6より急な勾配)における内的安定検討については粘着力の上限値は10kN/m2までと規定しています。
補強土構造物にとって重要な要因であるジオテキスタイルと土の摩擦特性は砂、砂質土などのφ材料を中心とした実績によって確認されてきたものです。土の粘着力が摩擦特性に及ぼす影響については十分な実績がなく、また粘着力は見かけのせん断強さに大きな影響を及ぼすことや、含水比による変動などが大きいこと、壁面近傍における改良土の強度発現が盛立て中に十分発揮できるかが不明であることなど、粘着力については慎重な取り扱いが必要となるため上限を定めました。
補強盛土におけるジオテキスタイルの最大敷設間隔を2mとしているのはなぜでしょうか?高強度の製品を使って間隔を粗く配置したほうが安価になります。
大敷設間隔を設定したのは、引張強さの大きなジオテキスタイルを粗く配置した場合、補強効果が十分発揮出来ない場合があるので、これを配慮したものです。
すなわち、補強盛土全体の安定のためには,比較的引張強さの小さいジオテキスタイルでも敷設間隔を密に用いたほうが、土との相互作用による「補強土の一体化効果」が発揮され、安定性の向上が大きいことが知られています。円弧すべり法は、便宜的にすべり土塊を剛体と仮定しているのであり、例えば高強度の補強材を一層敷設してすべり土塊全体のすべり抵抗を向上させようと考えることは誤りです。
単に経済性のみで判断するのではなく、ジオテキスタイルと盛土材料の一体化を図ることによって補強盛土の品質が確保できるように、これまでの施工実績も考慮して最大敷設間隔を定めています。
強盛土におけるジオテキスタイルの最小敷設長を3m程度とした根拠を教えてください。
また、定着長を1m以上とした根拠も教えてください。
設長については,大型振動ローラで十分に締固めできるように、振動ローラの幅を約2mとして、のり面部から1m離れて締固めた場合を想定し、その幅を最小敷設長としています。

最小定着長については、ジオテキスタイルが補強機能を発揮するためには安定領域の中にある程度以上の定着長を確保する必要があることから規定しています。マニュアルでは、従来の経験や現場での作業性と敷設精度などから、最小定着長を1mと規定しています。
「原則として敷設長はすべて同じ長さ」とありますが,円弧すべり線に沿って各段の長さを変えてはいけないのでしょうか?
ジオテキスタイルの敷設長については、あらゆる円弧すべりのすべり安全率が所定の値を確保すると同時に補強領域の一体化という観点から規定されています。マニュアルでは後者の観点から、敷設長を同一長さにすることを原則としています。
片切り・片盛り部の排水対策の際,地山と盛土にはさむ砕石層の厚さに基準はあるのでしょうか.特に,盛土の背面側の砕石厚さに基準はあるのでしょうか?
ジオテキスタイル補強土工法として特に地山と盛土の境界における排水用砕石厚さを、特に具体的に規定したものはありません。一般の土構造物と同様に「道路土工―排水工指針」などの指針類を参考にされ、地山からの土中水は盛土に浸透しないよう、現場条件にあわせて適切な断面を決定してください。
ジオテキスタイル補強土壁の高さに制限はあるのでしょうか?
高さの制限に関する規定値は確立されていません。従来の実績では、道路土工擁壁工指針では18m程度という記載があります。過去に於ける現在までの実績では垂直な壁面で高さ10m程度,勾配が1:0.3の場合は20m程度、1:0.5の場合は25m程度のものがあります。さらに、多段積みの補強土壁の全体高さでは、これを上回る実績が報告されています。
ジオテキスタイル補強土壁の高さに制限はあるのでしょうか?
高さの制限に関する規定値は確立されていません。従来の実績では、道路土工擁壁工指針では18m程度という記載があります。過去に於ける現在までの実績では垂直な壁面で高さ10m程度,勾配が1:0.3の場合は20m程度、1:0.5の場合は25m程度のものがあります。
さらに、多段積みの補強土壁の全体高さでは、これを上回る実績が報告されています。
「ジオテキスタイルを用いた補強土の設計・施工マニュアル」に設計引張強さの異なる種々のジオテキスタイルを併用することができるとのことですが、一種類のジオテキスタイルで計画するより、引張強さの異なる複数のジオテキスタイルで計画した方が当然経済的になると思いますが、断面の検討時に何種類くらいの引張強さ使って比較検討を行えばいいのでしょうか?
マニュアルでは特に言及していないようです。理論的にはより多くの引張強さのジオテキスタイルを配置したほうが経済的な結果となりますが、あまりに多くの種類のジオテキスタイルを用いると搬入・保管・施工時に混乱する恐れがあること、あるいは高さが異なる断面が連続するような場合に同じ高さの位置に敷設するジオテキスタイルが多種類になり管理面で非常に煩雑になり、施工ミスの原因になることも考えられます。
施工の問題や材料ロスなどを考慮した場合、経験的には補強土壁の高さが高い場合でも、3種類程度までのジオテキスタイルを選択することが望ましいと考えられます。
外的安定の検討の支持力安全率が変更になっているようですが、その根拠は?
実験の結果に基づいて見直しがなされたようでです。それによると、「補強土壁に関する既往の模型実験によれば、コンクリート擁壁に比べて地盤反力の応力集中が緩和されることから、支持力に対する安全率について、暫定的に表中の値を提案するものである」とし、支持力に対する安全率一覧表が提案されています。
補強土壁の敷設間隔が1.0m以下から1.0m程度となっていますが、そのもつ意味は何でしょうか?
一般的な盛土の締め固め仕上がり厚さが30cmであることから、その倍数にあたる敷設間隔1.2mまでも対象可能とする措置のようです。ただし、所定の締め固め度などの施工管理が確保されることが前提条件となりますのでご留意下さい。
「ジオテキスタイルを用いた補強土の設計・施工マニュアル」には「敷設長を短くしたジオテキスタイルは,必ず堅固な地山まで敷設すること」とありますが、岩盤以外でも堅固な地山とみなしてよいのでしょうか?
堅固な地山とは,岩盤またはそれと同等以上の安定した地山を想定しており、地山から補強領域に対して土圧が作用しないことが前提となります。
現地踏査などによって補強土壁が構築されても長期的に安定であることを現場監督職員と協議の上ご判断ください。
補強領域下の地盤支持力は十分でも、全体安定の検討で基礎地盤内を通過するすべりを検討する必要はありますか?
支持力の検討は、補強領域底面部の安定を検討するものであり、補強土壁を構築した地盤全体の安定性を評価するために補強領域の外側を通るすべりも含めた全体安定としての検討が必要です。
コンクリートパネルなどの剛な壁面工を使用する場合、連結部には圧密による背面土の沈下に伴いジオテキスタイルとパネルの連結部にせん断力が集中することが考えられますが、どのように考慮すべきですか?
パネルとの連結部にスライドジョイントなどを設けるなど盛土の沈下対策を施し、過度なせん断力が発生しないように工夫し、「剛な壁面工に於けるグリッドとの連結部強度係数」が1.0以上とならないような構造にすることが必要です。
コンクリートパネルなどの剛な壁面工を使用する場合、連結部には圧密による背面土の沈下に伴いジオテキスタイルとパネルの連結部にせん断力が集中することが考えられますが、どのように考慮すべきですか?
パネルとの連結部にスライドジョイントなどを設けるなど盛土の沈下対策を施し、過度なせん断力が発生しないように工夫し、「剛な壁面工に於けるグリッドとの連結部強度係数」が1.0以上とならないような構造にすることが必要です。
安定した地山に補強土壁をすりつける場合、裏込め土による土圧が作用しないため、支持力の検討までしなくてもいいのではないですか?
腹付け盛土の場合、支持力の検討は最下段の底面幅で検討します。裏込め土による土圧がなくても自重あるいは地震時の水平慣性力による地盤反力が生じることから基礎地盤の支持力の照査は必要になってきます。
盛土材に砂質土のような良質土を想定していても当初設計に排水層としてのジオテキスタイルを記載されている場合が多いように思いますが補強土壁内の排水層としてのジオテキスタイルは必ず必要でしょうか?
一般の盛土と同様に気象条件、接地条件などを考慮し「道路土工−排水工指針」などに基づいた排水対策をしてください。
適用する盛土材料に応じた排水工の要否の判断はマニュアルに掲載される「補強土壁工法の適用土質の目安」をご参考下さい。
補強土壁の排水対策としてテールアルメ工法の壁面背面に50cm厚で全面に砕石を敷くようなことは行わないのでしょうか?
本工法に用いるコンクリート製の壁面パネルは鋼製枠方式によるものと解釈されるため壁面自体が排水面となっているので不要です。コンクリート壁面工の場合、透水性の小さい盛土材を使用する場合はテールアルメ工法などの補強土壁工法と基本的には同様の考え方を適用するほうがよいでしょう。

「道路土工擁壁工指針」をご参照ください。
鋼製型枠式の壁面材を使用する場合、施工可能な最小曲線はいくらでしょうか?
また、曲線内は壁面勾配の影響で上下長さが異なるため、どのような施工となるのでしょうか?
90°〜180°の曲線区間に対応可能です。その曲率に規定はなく計画される路線に応じて配置を検討する必要があります。
また上下長さが異なる箇所では壁面工をずらして対応すれば良く、壁面工の並びを揃える必要はありません。
内曲がりとなる曲線区間に於いてジオテキスタイルを設置する場合、ジオテキスタイルの重なり面積が多くなるため敷設量を減らすなどしないのでしょうか?
各ジオテキスタイルは連結された壁に作用する土圧に負担することも念頭におき減らすなどの措置はとりません。
ジオテキスタイルの施工管理値に参考事例などはありませんか?
施工管理値は補強盛土に於いては「道路土工要綱」を参考にしてください。補強土壁についてはマニュアル内基礎工の出来型管理・壁面工の組立管理でコンクリートパネル形式などの垂直壁の場合の目安を記載していますが、巻き込み形式や鋼製型枠形式については用途などにより適宜決定する必要があります。
軟弱地盤対策でジオテキスタイルを検討する際、有機質土地盤に適用した場合、側方への変形抑制効果は期待できるのでしょうか?
盛土の底面を補強することで滑りの安定性が確保できるために基礎地盤を無処理で施工するより変形抑制効果は発揮できるようですが、基本的には軟弱地盤上に荷重が載荷されるため基礎地盤の変形は発生してしまいます。
現場の条件によって変形の影響を事前に把握して借地および対策、あるいは補償する方が工事費としては安価になる場合もあるようです。
このような考え方を踏まえて対策を講じることが必要となります。
ジオテキスタイルによる盛土の補強工法を採用する際の判定基準である完成形の盛土ではfs<1.0となる場合の対策方法はどうすれば良いでしょうか?
ジオテキスタイルを検討する前の安全率1.0が確保されない場合には緩速盛土や段階盛土によって地盤の圧密による強度発現を期待する方法や地盤改良により積極的に地盤強度を増加させる工法との比較検討周辺環境への影響や費用対効果なども考慮して最適工法を選定することになります。

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